NARUTOコラム
2023/10/26
現代の戦術から見て、シカマルの判断は「とても優秀」。『NARUTO-ナルト-』に登場する「一列縦隊」は実際の戦闘でも有効だった!
『NARUTO-ナルト-』の中で、忍たちは複数人の「チーム」を組んで任務の遂行にあたる。第七班(上忍であるカカシを上官とした、ナルト、サスケ、サクラで構成されるチーム)のように4人1組のフォーマンセルを基本とし、任務の特性や状況に合わせてスリーマンセル(3人1組)、ファイブマンセル(5人1組)などを使い分けているのだ。
また、フォーメーションや戦術もその時々によって変わる。例えば、サスケ奪還任務でリーダーのシカマルが採用したのは「一列縦隊」。メンバーの適正や能力に合わせて縦隊の並び順を決めるなど、即座に最適な采配を振っていた。
これらの小隊やフォーメーション、隊長が立案する戦術は、軍事的な観点から見て理にかなっているのだろうか? 傭兵としての経験もある高部正樹さんに評価&解説していただいた。
また、フォーメーションや戦術もその時々によって変わる。例えば、サスケ奪還任務でリーダーのシカマルが採用したのは「一列縦隊」。メンバーの適正や能力に合わせて縦隊の並び順を決めるなど、即座に最適な采配を振っていた。
これらの小隊やフォーメーション、隊長が立案する戦術は、軍事的な観点から見て理にかなっているのだろうか? 傭兵としての経験もある高部正樹さんに評価&解説していただいた。
(プロフィール)高部正樹さん/高校卒業後、航空自衛隊のパイロットを目指すも断念。自衛隊を離れた後、1980年代~2000年代にかけて海外で傭兵として活動。2007年に日本へ帰還。現在、軍事評論家として執筆、講演、コメンテーターなどの活動を行う。
戦地における「特殊部隊」の役割とは?
―― 「傭兵」にはどんな役割が求められるのでしょうか?
高部:メインはやはり戦闘行為です。ただ戦闘行為といっても最前線で戦うだけではなく、少人数で敵側に潜入し破壊工作を行うこともあります。
敵側の輸送路にある橋を壊したり、その途中にある補給物資の集積所を狙ったり、通信所を破壊したり。傭兵の役割はさまざまで、任務の性格によってチーム全員で向かうこともあれば、半分ずつに分けたり、作戦中にそれをさらに3人1組の2チームにして動いたりと、フレキシブルに変化させることが多いですね。
高部:メインはやはり戦闘行為です。ただ戦闘行為といっても最前線で戦うだけではなく、少人数で敵側に潜入し破壊工作を行うこともあります。
敵側の輸送路にある橋を壊したり、その途中にある補給物資の集積所を狙ったり、通信所を破壊したり。傭兵の役割はさまざまで、任務の性格によってチーム全員で向かうこともあれば、半分ずつに分けたり、作戦中にそれをさらに3人1組の2チームにして動いたりと、フレキシブルに変化させることが多いですね。
――『NARUTO-ナルト-』の忍たちも、任務によってスリーマンセル(3人1組)やフォーマンセル(4人1組)、ツーマンセル(2人1組)など、さまざまな「チーム」を使い分けています。
高部:『NARUTO-ナルト-』におけるチームは、いわゆる「特殊部隊」と呼ばれるものに近いですね。特殊部隊は基本的に大人数で動くことはなく、任務ごとに2人1組、3人1組、4人1組という単独のチームを組んで一つの活動を行います。
例えば、サスケ奪還任務の際にはファイブマンセル(5人1組)のチームを率いるシカマルが、具体的な作戦や個々のメンバーの役割を決めていましたね。あれも、リアルな戦場における特殊部隊の姿に近いです。
例えば、サスケ奪還任務の際にはファイブマンセル(5人1組)のチームを率いるシカマルが、具体的な作戦や個々のメンバーの役割を決めていましたね。あれも、リアルな戦場における特殊部隊の姿に近いです。
「サスケを奪還する」という大きなミッションだけを与えられて、それを遂行するための具体的な作戦やフォーメーションなどは、現場のリーダーを中心に自分たちで立案して動く。一つひとつの動きに対して上官の命令が必要な一般部隊では、こういうことはできません。特殊部隊ならではの動きではないかと思います。
なお、一般の部隊(特殊部隊ではない正規の軍隊)は上官の命令がなければ活動できません。というよりも、隊員は指揮官の命令で動くように訓練されていますので、各自がその時々の状況を分析して独断で動くことができないんです。
一方、特殊部隊は現場のメンバー自身が作戦を遂行するためにどうすればいいかを考えて、個々の判断で動く。ここは、とても大きな違いですね。『NARUTO-ナルト-』に出てくる忍者たちも、数人のチームが独立して各種任務の遂行にあたっていることから、やはり特殊部隊の性格に近いと思います。
なお、一般の部隊(特殊部隊ではない正規の軍隊)は上官の命令がなければ活動できません。というよりも、隊員は指揮官の命令で動くように訓練されていますので、各自がその時々の状況を分析して独断で動くことができないんです。
一方、特殊部隊は現場のメンバー自身が作戦を遂行するためにどうすればいいかを考えて、個々の判断で動く。ここは、とても大きな違いですね。『NARUTO-ナルト-』に出てくる忍者たちも、数人のチームが独立して各種任務の遂行にあたっていることから、やはり特殊部隊の性格に近いと思います。
――ちなみに現実の特殊部隊は、具体的にどのような作戦にあたるのでしょうか?
高部:本当にさまざまです。先ほどお話ししたような敵陣に潜入しての破壊工作や情報収集などもありますし、要人の警護、あるいは敵側の要人の誘拐や捕虜の奪還など、やれと言われたことは何でもやるという感じですね。
――となると、やはり優秀な人間が任命される?
高部:もちろん、体力や技術面で秀でたものがあったり、知識や経験が豊富だったり、語学が堪能だったり、さまざまな面で有能であるに越したことはありません。
ただ、最も大事なのは「信頼できる人格」かどうか。特殊部隊は少人数で動きますから、お互いの信頼関係が最も重要。信頼関係がないとチームワークを最大化できないので、いくら優秀でも、チームにフィットしない人間は除外されてしまいます。自衛隊の特殊作戦群(陸上自衛隊の特殊部隊)を選抜する際も、技術や体力だけでなく実際の訓練の様子を現役の隊員が見て、一緒に仕事ができる人物かどうかを見極めているんです。
高部:本当にさまざまです。先ほどお話ししたような敵陣に潜入しての破壊工作や情報収集などもありますし、要人の警護、あるいは敵側の要人の誘拐や捕虜の奪還など、やれと言われたことは何でもやるという感じですね。
――となると、やはり優秀な人間が任命される?
高部:もちろん、体力や技術面で秀でたものがあったり、知識や経験が豊富だったり、語学が堪能だったり、さまざまな面で有能であるに越したことはありません。
ただ、最も大事なのは「信頼できる人格」かどうか。特殊部隊は少人数で動きますから、お互いの信頼関係が最も重要。信頼関係がないとチームワークを最大化できないので、いくら優秀でも、チームにフィットしない人間は除外されてしまいます。自衛隊の特殊作戦群(陸上自衛隊の特殊部隊)を選抜する際も、技術や体力だけでなく実際の訓練の様子を現役の隊員が見て、一緒に仕事ができる人物かどうかを見極めているんです。
任務ごとに「チーム」と「フォーメーション」はどう変わる?
――特殊部隊にはさまざまな任務があるということでしたが、その内容や状況によってチームの編成は異なりますよね。
高部:そうですね。各種編成や隊形にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、作戦の内容に適したものをチョイスすることが重要です。
――例えば、『NARUTO-ナルト-』の作中にも出てきた「護衛」「要人の奪還」「偵察・情報活動」などの任務を行うと想定した時の、各種編成のメリット・デメリットを教えてください。
高部:まずツーマンセル(2人1組)。基本的に1名での単独戦闘行為は非常時を除いてありえませんので、2人1組が戦術行動の最小単位になります。その一番のメリットは目立たないこと。敵陣に潜入しての偵察や情報収集といった作戦には最も適していると言えます。ただし、デメリットとしては2人しかいませんので、1人あたりの警戒すべき範囲が広くなったり、負担やストレスが大きくなったりします。
スリーマンセル(3人1組)のメリットは1人あたりの負担が軽くなることに加え、戦術の幅を広げられ、なおかつ火力も大きくなること。人数としてもそこまで目立たず、バランスの良いチームですね。そうした利点や運用のしやすさから、各国の特殊部隊でも、このスリーマンセルを基本編成とするところが多いです。
フォーマンセル(4人1組)になると、一人あたりの負担はぐっと減ります。隊形のバリエーションも一気に増えて、さまざまな状況に対応できるようになる上、より火力を重視した戦闘向けの編成装備を組むことができます。一方で、かなり目立ちやすくなるため、例えば市街地での情報活動といった秘匿性が必要とされる任務にはあまり適していません。
高部:そうですね。各種編成や隊形にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、作戦の内容に適したものをチョイスすることが重要です。
――例えば、『NARUTO-ナルト-』の作中にも出てきた「護衛」「要人の奪還」「偵察・情報活動」などの任務を行うと想定した時の、各種編成のメリット・デメリットを教えてください。
高部:まずツーマンセル(2人1組)。基本的に1名での単独戦闘行為は非常時を除いてありえませんので、2人1組が戦術行動の最小単位になります。その一番のメリットは目立たないこと。敵陣に潜入しての偵察や情報収集といった作戦には最も適していると言えます。ただし、デメリットとしては2人しかいませんので、1人あたりの警戒すべき範囲が広くなったり、負担やストレスが大きくなったりします。
スリーマンセル(3人1組)のメリットは1人あたりの負担が軽くなることに加え、戦術の幅を広げられ、なおかつ火力も大きくなること。人数としてもそこまで目立たず、バランスの良いチームですね。そうした利点や運用のしやすさから、各国の特殊部隊でも、このスリーマンセルを基本編成とするところが多いです。
フォーマンセル(4人1組)になると、一人あたりの負担はぐっと減ります。隊形のバリエーションも一気に増えて、さまざまな状況に対応できるようになる上、より火力を重視した戦闘向けの編成装備を組むことができます。一方で、かなり目立ちやすくなるため、例えば市街地での情報活動といった秘匿性が必要とされる任務にはあまり適していません。
ですから、目立ちたくない作戦の場合はツーマンセルやスリーマンセルが基本になりますし、敵を拉致するといったような火力や人出が必要な作戦の場合はフォーマンセルやファイブマンセルなどを選ぶことが多いですね。
――チームの人数によって、任命される人選も変わってきますよね。
高部:例えばツーマンセルの場合、チームリーダーと他1名のみの編成となります。となると、両名とも体力、知能、判断力など全ての分野において高度な能力がなければ務まりませんし、それにプラスして「通信」「医療」「火器」「語学能力」といった、その作戦に必要な高度な専門的技能が求められます。
――チームの人数によって、任命される人選も変わってきますよね。
高部:例えばツーマンセルの場合、チームリーダーと他1名のみの編成となります。となると、両名とも体力、知能、判断力など全ての分野において高度な能力がなければ務まりませんし、それにプラスして「通信」「医療」「火器」「語学能力」といった、その作戦に必要な高度な専門的技能が求められます。
つまり、人数が少ないチームほど経験豊富で、さまざまな技術や専門性を持った人間が必要になります。軍隊でいえば、曹長や軍曹クラスの極めて技量の高い人に限られてしまいますね。逆に人数が増えれば、やや能力が劣る人も選択肢に入れられます。ですから、フォーマンセルやファイブマンセルの方がチームを組みやすいメリットはあると思います。
――なるほど。ちなみに木ノ葉隠れの里には、個々にさまざまな能力を持った忍がいます。先ほどのサスケ奪還作戦の際もシカマルは「その土地の地形や地理に詳しく、鼻が効くキバ」や「打撃力のあるチョウジ」など、メンバーの得意なことをふまえて人選や役割分担、フォーメーションを決めていました。このあたりのシカマルの采配については、どう感じますか?
――なるほど。ちなみに木ノ葉隠れの里には、個々にさまざまな能力を持った忍がいます。先ほどのサスケ奪還作戦の際もシカマルは「その土地の地形や地理に詳しく、鼻が効くキバ」や「打撃力のあるチョウジ」など、メンバーの得意なことをふまえて人選や役割分担、フォーメーションを決めていました。このあたりのシカマルの采配については、どう感じますか?
高部:シカマルはとても優秀で、メンバーやフォーメーションの特性、目的を達成するための戦術についてもよく理解していると思います。彼はファイブマンセルのチームを組み「一列縦隊」というフォーメーションを採用しましたが、移動速度優先の一列縦隊は奪還作戦にも向いていますから。
それぞれのメンバーの配置もいいですね。先頭に土地感のあるキバを置くのも、リーダーである自分を2番目にして、状況に応じて前後に命令を下せるようにしているのも理にかなっています。4番目に最も打撃力のあるチョウジを置くのも適切です。軍隊でいえば、彼のポジションにマシンガンやグレネードといった威力がある武器を持たせるのがセオリーですから、すごく良いバランスの配置だと思います。
――「一列縦隊」のようなフォーメーションは、実際の戦地でも使われているものなのでしょうか?
高部:そうですね。状況に応じて、特殊部隊はさまざまなフォーメーションをとります。
――では、代表的なフォーメーションと、それぞれの利点を教えてください。
それぞれのメンバーの配置もいいですね。先頭に土地感のあるキバを置くのも、リーダーである自分を2番目にして、状況に応じて前後に命令を下せるようにしているのも理にかなっています。4番目に最も打撃力のあるチョウジを置くのも適切です。軍隊でいえば、彼のポジションにマシンガンやグレネードといった威力がある武器を持たせるのがセオリーですから、すごく良いバランスの配置だと思います。
――「一列縦隊」のようなフォーメーションは、実際の戦地でも使われているものなのでしょうか?
高部:そうですね。状況に応じて、特殊部隊はさまざまなフォーメーションをとります。
――では、代表的なフォーメーションと、それぞれの利点を教えてください。
高部:まずは一列縦隊。「シングルカラム」ともいわれるこのフォーメーションの利点は、移動速度が速いことです。デメリットは直進方向と真後ろの敵に対して、先頭と最後尾のメンバー1人ずつしか対応ができず、火力が弱まってしまうこと。ただし、真横からの敵に対しては全員が対応できます。ですから、森の端っこを進む時など、正面や後方よりも、横からの襲撃をより警戒しなければならない場合などはシングルカラムが適しているでしょう。
次に「ダブルカラム」という、2列に2〜5人ずつが並ぶフォーメーション。シングルカラムに次いで移動速度が速く、1列よりも周囲を警戒しやすくなります。例えば、森の真ん中の道を歩かなくてはならず、両サイドへの警戒が必要な場合。あるいは、市街地でビルなど高い位置からの敵襲が考えられる場合にも、1列より2列にして道の両サイドに配置した方が警戒しやすいです。
スリーマンセルの場合、よく使われるのは「トライアングル」の陣形です。前に1人、後ろに2人を置くフォーメーションですね。利点は移動速度は落ちますが、面型の隊形のため、縦隊隊形よりも平均的に全周警戒がしやすい隙の少ない陣形であり、どこに敵が現れても即座に3人で対応できる点にあります。なお、特に前方を警戒しなければいけない時には、前に2人、後ろに1人の「逆トライアングル」のフォーメーションをとる場合もあります。
フォーマンセルでは「ダイヤモンド」という菱形のフォーメーションがあります。これは全方位を警戒しやすく、敵襲に対しても常に3人以上の火力で対応ができる。敵と遭遇しそうなエリアで警戒しながらゆっくり移動する場合に適しています。ファイブマンセルの場合はダイヤモンドの中央にリーダーを置き、そこから指揮をとることもありますね。
ちなみに目の前の状況によって、とるべきフォーメーションは変わります。チームのリーダーが状況に応じて判断し、臨機応変に適切なフォーメーションを組んでいくことが重要ですね。
ちなみに目の前の状況によって、とるべきフォーメーションは変わります。チームのリーダーが状況に応じて判断し、臨機応変に適切なフォーメーションを組んでいくことが重要ですね。
戦地で出会った、カカシ先生のような教官
――お話を伺って、『NARUTO-ナルト-』で描かれているチームやフォーメーションの組み方は、現実でも通用するのかなと感じました。
高部:十分に通用すると思います。また、リアリティーという意味ではフォーメーションだけでなく、チームに所属するメンバーの個性が分かれているのも、実際の特殊部隊と似通っていますよね。
第七班のナルトとサクラ、サスケって、みんなすごく個性的じゃないですか。現実の特殊部隊にもナルトのように「俺が俺が」って突っ走りたがる人もいたし、サクラみたいな優等生タイプもいましたね。
――ちなみに、特殊部隊にカカシのような隊長はいるのでしょうか?
高部:カカシ先生って手取り足取り教えるというよりは、任務を通じて部下たちを成長させていくタイプの上司だと思います。とある国の特殊部隊で出会った教官の指導方針も、カカシ先生に似ていましたね。
彼が教えるのは、作戦を遂行するための「基本的な考え方」なんです。訓練でいくら最新の武器の使い方や最先端の戦術を叩き込んだところで、そんなものはすぐに時代遅れになってしまう。でも、普遍的な考え方さえ押さえておけば、あとは各々が現場で思考を積み重ねていって、作戦を遂行するための行動をとることができると。
高部:十分に通用すると思います。また、リアリティーという意味ではフォーメーションだけでなく、チームに所属するメンバーの個性が分かれているのも、実際の特殊部隊と似通っていますよね。
第七班のナルトとサクラ、サスケって、みんなすごく個性的じゃないですか。現実の特殊部隊にもナルトのように「俺が俺が」って突っ走りたがる人もいたし、サクラみたいな優等生タイプもいましたね。
――ちなみに、特殊部隊にカカシのような隊長はいるのでしょうか?
高部:カカシ先生って手取り足取り教えるというよりは、任務を通じて部下たちを成長させていくタイプの上司だと思います。とある国の特殊部隊で出会った教官の指導方針も、カカシ先生に似ていましたね。
彼が教えるのは、作戦を遂行するための「基本的な考え方」なんです。訓練でいくら最新の武器の使い方や最先端の戦術を叩き込んだところで、そんなものはすぐに時代遅れになってしまう。でも、普遍的な考え方さえ押さえておけば、あとは各々が現場で思考を積み重ねていって、作戦を遂行するための行動をとることができると。
――カカシ先生のやり方も、それに近いと。
高部:そうですね。カカシも細々したことを逐一教えるのではなく、大まかな任務やヒントだけを示して、あとは各々に考えさせ、実戦のなかで学ばせていますよね。
先ほども話した通り、特殊部隊は「言われたことだけできればいい」という考え方の人間には務まりません。例えばファイブマンセルなら、その5名全員が成すべきこと(任務)を理解し、いざ任務が始まればチームリーダーに命ぜられなくても、各自が率先してやるべきことを実行できなくてはならない。だからカカシ先生は、思考能力を鍛えるような訓練を重視しているのだと思います。
――そうした教官の指導も含め、『NARUTO-ナルト-』の忍たちが任務のなかでやっていることって、現実の軍隊のそれにかなり近いんですね。
高部:そうですね。かなり現実に迫っているんじゃないでしょうか。漫画を読みながら、指導教官のことを思い出しましたよ(笑)。
取材・文/榎並紀行(やじろべえ)
高部:そうですね。カカシも細々したことを逐一教えるのではなく、大まかな任務やヒントだけを示して、あとは各々に考えさせ、実戦のなかで学ばせていますよね。
先ほども話した通り、特殊部隊は「言われたことだけできればいい」という考え方の人間には務まりません。例えばファイブマンセルなら、その5名全員が成すべきこと(任務)を理解し、いざ任務が始まればチームリーダーに命ぜられなくても、各自が率先してやるべきことを実行できなくてはならない。だからカカシ先生は、思考能力を鍛えるような訓練を重視しているのだと思います。
――そうした教官の指導も含め、『NARUTO-ナルト-』の忍たちが任務のなかでやっていることって、現実の軍隊のそれにかなり近いんですね。
高部:そうですね。かなり現実に迫っているんじゃないでしょうか。漫画を読みながら、指導教官のことを思い出しましたよ(笑)。
取材・文/榎並紀行(やじろべえ)